無菌グローブボックスとは
無菌グローブボックスとは、隔離された環境で作業を行なうためのグローブボックスの中でも特に、滅菌操作が可能で、菌の進入を防ぎ、無菌環境の維持に特化したものをいいます。ボックスを密閉した状態で滅菌操作を行なうことから、無菌アイソレーターとも呼ばれます。
※isolate:隔離する、分離する
無菌グローブボックスの用途
無菌グローブボックスは、主に、医薬品の開発・製造、再生医療、CPC(細胞プロセシングセンター)等で使用されています。これらの環境では、製品の品質と安全性の確保が厳しく義務付けられており、製品の汚染防止、作業者の安全確保を目的に、隔離された無菌環境の構築・維持管理が必要とされています。
また、飲料食品やバイオテクノロジー、再生医療などの分野でも普及しています。
無菌グローブボックスの用途
無菌グローブボックスは、主に、医薬品の開発・製造、再生医療、CPC(細胞プロセシングセンター)等で使用されています。これらの環境では、製品の品質と安全性の確保が厳しく義務付けられており、製品の汚染防止、作業者の安全確保を目的に、隔離された無菌環境の構築・維持管理が必要とされています。
また、飲料食品やバイオテクノロジー、再生医療などの分野でも普及しています。
クリーンルーム(無菌室)との違い
クリーンルーム(無菌室)は、クリーンウェアを着用した作業者が製品に直接触れる環境です。クリーンルーム内での汚染で最も多い原因は『作業者からの発塵』といわれています。エアシャワー等で除去しきれなかった塵埃、細菌はもちろんですが、クリーンウェアの継目や隙間からも、目には見えない発塵が発生するためです。
無菌グローブボックスは、ボックス内が作業者の空間と完全に隔離されているため、これらのリスクを効果的に排除できます。また、ボックスという限定された空間ですので、滅菌(除染)や洗浄作業が容易というメリットもあります。
無菌グローブボックスのしくみ
無菌グローブボックスは、用途によってサイズや形状がさまざまですが、基本的な構造は下図のようになります。
滅菌(除染)操作について
無菌グローブボックスのボックス内は隔離された環境ですが、そのままの状態ではたくさんの菌が浮遊しています。そのため、ボックス内の菌を死滅させる『滅菌』という操作が必要になります。細菌による汚染を防ぐという目的から、除染と呼ばれる場合もあります。
滅菌操作には、用途や滅菌レベルに応じた何種類かの方法があります。
●過酸化水素ガス滅菌 ●オゾンガス滅菌 ●蒸気滅菌 ●紫外線ランプ滅菌 ●アルコール滅菌
過酸化水素やオゾンガスは滅菌効果は高いですが、高濃度では人体に有害な物質であるため、滅菌操作後の処理が必要となります。蒸気滅菌も、物質としては安全ですが、高温高圧の蒸気は適切な取り扱いが必要となります。紫外線ランプおよびアルコールは、ボックス内の隅々まで行き渡らないため、補助的な用途が強いといった特徴があります。
これらの滅菌手法を組み合わせて、用途に適した最適なシステムを構築する必要があります。
無菌グローブボックスの使用について
無菌グローブボックスは、以下のような流れで使用されます。
『密閉 → 滅菌 → クリーン化 → 循環維持』
- 密閉:すべての開口を閉じてボックス内を隔離する
- 滅菌:過酸化水素などの滅菌ガスでボックス内を滅菌する
- クリーン化:HEPAフィルターを通したクリーンな外気と入替える
- 循環維持:無菌かつクリーンな状態を維持しながら作業を行なう
無菌グローブボックスの使用について
当社では、フルオーダーメイドで無菌グローブボックスを製作いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。